【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
 名前はエルモという女性。
 ほんとうに黒を愛しているのだろうか? チェリチタの木に花を満開にさせたが――また、白のように悲しい思いをさせないか心配だ。と、彼女のはたらくパン屋にかよううちに、メロンパンという美味しい食べ物にハマった。  

 他のパンも食べてみたが。
 メロンパンには勝てない。

「メロンパンは美味しい。他のパンもおいしいがこれは格別だ!」

 外はサクサク、中はフワフワ。
 美味しいものは皆でたべたいが。私が店のメロンパンをぜんぶ買うと、メロンパンを待っている人に悪い。

 十個だけ買い三つは白と黒、彼女の分とした。

 みんなには満月に酒を盛大に振舞おう。

 彼女もはじめは驚いていたが「ありがとうございます」「あの、今回は私がだします」「半分受け取ってください!」と言ってくれる。

 仕事終わりに黒が彼女を迎えにきて、手をつなぎ、楽しげに帰っていく姿はなんとほのぼのする。

 ――よい、よい。

 それと。彼女につきまとう変な男は近くの森に弱い魔物を呼んで、しばらく来させないようにしてやった。
< 117 / 179 >

この作品をシェア

pagetop