【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
四
学園最後の舞踏会で。エルドラッドに婚約破棄をされた悪役令嬢エルモ・トルッテは――友達に手紙を書くと約束して屋敷に戻ると。
『『一族の恥さらし! よく、ここに戻ってこれたな!』』
すでに、エルドラッドとの婚約破棄の話を知っていた両親に。
トランクケースひとつと、少しのお金を投げつけられて『ニ度と、顔を見せるな!』と勘当された。
最後まで娘を愛してはくれず。
自分のことしか考えない人たち。
「………いままで、お世話になりました」
みだれた髪をゆいワンピースに着替え、トランクケースを持って隣町まで歩き、相乗り馬車に乗る。
ここよりも遠くにいきたくて、いくつもの馬車を乗り継ぎ、いくつもの国境をこえてたどり着いた。
(たしかめた地図だと、ここから先は険しい山しかない)
ここが最終地点。
エルモはトランクケースを待ち、馬車を降りて、雲ひとつない青空を見上げた。
「……ここが山間の国サーティーアね」
この先はゲームとは関係のない、穏やかな日々を過ごしたいな。
『『一族の恥さらし! よく、ここに戻ってこれたな!』』
すでに、エルドラッドとの婚約破棄の話を知っていた両親に。
トランクケースひとつと、少しのお金を投げつけられて『ニ度と、顔を見せるな!』と勘当された。
最後まで娘を愛してはくれず。
自分のことしか考えない人たち。
「………いままで、お世話になりました」
みだれた髪をゆいワンピースに着替え、トランクケースを持って隣町まで歩き、相乗り馬車に乗る。
ここよりも遠くにいきたくて、いくつもの馬車を乗り継ぎ、いくつもの国境をこえてたどり着いた。
(たしかめた地図だと、ここから先は険しい山しかない)
ここが最終地点。
エルモはトランクケースを待ち、馬車を降りて、雲ひとつない青空を見上げた。
「……ここが山間の国サーティーアね」
この先はゲームとは関係のない、穏やかな日々を過ごしたいな。