【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
エルモはサーティーアの王都からは離れた、のどかなトトール村で、住む所を探していた。
――この村なら、のんびりできそう。
近くにはギルドがある大きなカールトンという街もあり――村から歩いて働きにいける距離。
エルモは村に着いた直ぐ、トトール村の地主さんの元を訪れて話をした所。
何年も前から放置された、畑付きの一軒家の話をしてくれた。
「え、畑付きの一軒家ですか!」
「そうじゃよ。いまから見に行くかえ? しかしよ―、お嬢さん」
地主のおばちゃんの話では、誰もいないその家にたまに人影が見えるとかで、子供達の間ではお化け屋敷と呼ばれる家だといった。
「おばけやしきですか?」
「んだ、お化けがでる」
元々お化けは信じていないし、もっと怖い者をエルモは見て来た。
自分の地位と爵位を守るために、怒り狂う両親。
貴族達の偽りだらけの噂話。
おのれの欲望を叶えるために、キョゲンばかりのヒロイン。
攻略対象者達の罵声に罵り、エルドラッドの冷たい声と瞳――それらを見る事も聞く事はもう無い。
――この村なら、のんびりできそう。
近くにはギルドがある大きなカールトンという街もあり――村から歩いて働きにいける距離。
エルモは村に着いた直ぐ、トトール村の地主さんの元を訪れて話をした所。
何年も前から放置された、畑付きの一軒家の話をしてくれた。
「え、畑付きの一軒家ですか!」
「そうじゃよ。いまから見に行くかえ? しかしよ―、お嬢さん」
地主のおばちゃんの話では、誰もいないその家にたまに人影が見えるとかで、子供達の間ではお化け屋敷と呼ばれる家だといった。
「おばけやしきですか?」
「んだ、お化けがでる」
元々お化けは信じていないし、もっと怖い者をエルモは見て来た。
自分の地位と爵位を守るために、怒り狂う両親。
貴族達の偽りだらけの噂話。
おのれの欲望を叶えるために、キョゲンばかりのヒロイン。
攻略対象者達の罵声に罵り、エルドラッドの冷たい声と瞳――それらを見る事も聞く事はもう無い。