【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
みんなが寝静まった夜。
「……うっ、ふっ、く、」
「んっ……どうした? エルモ?」
隣のベッドで、うなり声をあげるエルモの声で目が覚めた。
「すごい汗だ……イヤな夢を見ているのか?」
ベッドをぬけ出し彼女のひたいの汗を拭うと。
目を覚ましたのか俺の名前を呼び、いまにも泣きそうな顔で俺に手を伸ばした、その彼女の手をとり胸に抱きしめて眠った。
――これ以上は、いやな夢を見させないと。