【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
〈ほら、いくぞ。毒草はこの部屋をでて左側の部屋にある〉
わかったと頷く。
「グル、行こう」
彼の手をひこうとしたとき、グルは口に何かを含みかじった。
ボリボリ音がして、ゴクンと飲んだ。
そして息を吸い込み。
「あーあ、おまえの言葉は片言だが話している内容がわかる。くそっ、まだ、うまく喋れぇ。お、俺はグレを――兄貴を傷付けたおまえを許さないし、二度と会うことはない!」
言い切り、睨みつけたグル。
しかし――リリアは余裕げに。
「あら? そんなと言っちゃっていいの? あたしのそばを離れると、ティーグルはその黒い力に飲み込まれちゃうぞ。その力を癒す力を持つ、聖女のあたしがいないと困るんじゃない?」
黒い力と聞き、グルは足をとめてリリアの方を向く。彼女は嬉しそうにグルに近付き、手を伸ばした。
しかし、その手は払われ。
「なにが聖女だよ。いまのおまえにそんな力はない。力があるのは嫁のエルモだけだ!」
え、嫁!
「はあ、エルモがティーグルの嫁? アハっ、エルモなんかに力はない、ない。力があるのはヒロインのあたしよ!」
リリアは胸を張った。
わかったと頷く。
「グル、行こう」
彼の手をひこうとしたとき、グルは口に何かを含みかじった。
ボリボリ音がして、ゴクンと飲んだ。
そして息を吸い込み。
「あーあ、おまえの言葉は片言だが話している内容がわかる。くそっ、まだ、うまく喋れぇ。お、俺はグレを――兄貴を傷付けたおまえを許さないし、二度と会うことはない!」
言い切り、睨みつけたグル。
しかし――リリアは余裕げに。
「あら? そんなと言っちゃっていいの? あたしのそばを離れると、ティーグルはその黒い力に飲み込まれちゃうぞ。その力を癒す力を持つ、聖女のあたしがいないと困るんじゃない?」
黒い力と聞き、グルは足をとめてリリアの方を向く。彼女は嬉しそうにグルに近付き、手を伸ばした。
しかし、その手は払われ。
「なにが聖女だよ。いまのおまえにそんな力はない。力があるのは嫁のエルモだけだ!」
え、嫁!
「はあ、エルモがティーグルの嫁? アハっ、エルモなんかに力はない、ない。力があるのはヒロインのあたしよ!」
リリアは胸を張った。