【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
エルモが前世の記憶を思い出したのは、十二歳。それは真夏の暑い日差しが照る午後だった。
庭園の木の木陰に座り、いつもの様に王子と植物図鑑を並んで眺めていた。
エルモの頬にかかった髪をあげようと、エルドラッドの手が触れた瞬間、激しい頭痛に襲われた。
「ウ、グッ――頭が……ッ」
「どうした、エルモ? エルモ、大丈夫か? だ、誰がここに来てくれ!」
激痛で頭を押さえ苦しむエルモを心配する、エルドラッドの声を聞きながら………ここは前世、好きだった乙女ゲーム『精霊獣に好かれた少女は誰と恋をする』の世界。
そして、私は……ヒロインに意地悪をする悪役令嬢エルモ・トルッテだと思い出して……気を失った。
ここは精霊がいるとされるファーレズ国。
ヒロインはこの国に住む。ピンク色の髪、ピン色の瞳のリリアという女の子。
子供のころ。夏が来るたびリリアが住むトト村の近くに並ぶ、貴族達の別荘地に遊びに来ていた貴族の男の子と知り合う。
はじめは貴族と平民だからと顔を合わせるだけだった二人けど。歳が近いからか二人はしだいに仲良くなっていった。
そんなある日。二人は『精霊の森』と呼ばれる森に出かけ。森で傷ついた小さい白い猫を見つける。
『たいへん。この子、お腹に怪我をしているわ!』
『ほんとうだ。はやく、手当しないと』
庭園の木の木陰に座り、いつもの様に王子と植物図鑑を並んで眺めていた。
エルモの頬にかかった髪をあげようと、エルドラッドの手が触れた瞬間、激しい頭痛に襲われた。
「ウ、グッ――頭が……ッ」
「どうした、エルモ? エルモ、大丈夫か? だ、誰がここに来てくれ!」
激痛で頭を押さえ苦しむエルモを心配する、エルドラッドの声を聞きながら………ここは前世、好きだった乙女ゲーム『精霊獣に好かれた少女は誰と恋をする』の世界。
そして、私は……ヒロインに意地悪をする悪役令嬢エルモ・トルッテだと思い出して……気を失った。
ここは精霊がいるとされるファーレズ国。
ヒロインはこの国に住む。ピンク色の髪、ピン色の瞳のリリアという女の子。
子供のころ。夏が来るたびリリアが住むトト村の近くに並ぶ、貴族達の別荘地に遊びに来ていた貴族の男の子と知り合う。
はじめは貴族と平民だからと顔を合わせるだけだった二人けど。歳が近いからか二人はしだいに仲良くなっていった。
そんなある日。二人は『精霊の森』と呼ばれる森に出かけ。森で傷ついた小さい白い猫を見つける。
『たいへん。この子、お腹に怪我をしているわ!』
『ほんとうだ。はやく、手当しないと』