【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
十
腹減ったなと、グルが買ってきたパンで、夕飯を二人で軽くとり、
夜も更けたころ、二人はベッドの前でもめた。
「エルモが使え」
「グルさんが使って」
ことの発端は、
「わたしは床で寝るのでベッドはグルさんが使ってください」
そのことばに反発したのはグル。
「いや、エルモがベッドを使え」
と真っ向から衝突した。
「いいえ、グルさんのベッドです」
「俺は床でもどこでも寝れる」
「…………」
エルモは言い争いが嫌で一掃のこと「一緒でもいい」とグルに言ってしまったのだ。
この、エルモの言葉に驚き固まるグル――そして、口がわなわなと震え目が座った。
「お前がいいって言ったんだからな、まあ、俺からは手は出さないけどな」
「わ、私だって出しませんよ」
ベッドは一緒に使うと売り言葉に買い言葉で決まった。
だけど、グルは明日から二、三日採取でいないと言っていて。また、帰ってきても直ぐに用事で出かけると言っていた。
❀
エルモがグルと暮らし始めて、一日目。
(……ん、温かい)
朝日と温かなぬくもりで目が覚めると、昨日の夜はお互いに背中合わせに寝たはずなのに、グルはエルモを後ろから抱きしめて眠っていた。
グルの腕の中は心地よく、不思議とエルモを温かな気持ちにさせてくれた。
(まだ寝てる?)
エルモは寝返りを打ち、近くで眠るグルの寝顔を、しばらく眺めた。
とつじょ眉間にシワが寄り、グルのエメラルド色の瞳が開き。
「何、見てんだ?」
(あなたの寝顔を見ていたなんて、言えるわけがない)
「べ、別に……お、おはようございます」
「そう? おはよう」
恋人同士でも無いのに一緒の布団で眠る、ちょっと変なエルモとグルの関係だ。
夜も更けたころ、二人はベッドの前でもめた。
「エルモが使え」
「グルさんが使って」
ことの発端は、
「わたしは床で寝るのでベッドはグルさんが使ってください」
そのことばに反発したのはグル。
「いや、エルモがベッドを使え」
と真っ向から衝突した。
「いいえ、グルさんのベッドです」
「俺は床でもどこでも寝れる」
「…………」
エルモは言い争いが嫌で一掃のこと「一緒でもいい」とグルに言ってしまったのだ。
この、エルモの言葉に驚き固まるグル――そして、口がわなわなと震え目が座った。
「お前がいいって言ったんだからな、まあ、俺からは手は出さないけどな」
「わ、私だって出しませんよ」
ベッドは一緒に使うと売り言葉に買い言葉で決まった。
だけど、グルは明日から二、三日採取でいないと言っていて。また、帰ってきても直ぐに用事で出かけると言っていた。
❀
エルモがグルと暮らし始めて、一日目。
(……ん、温かい)
朝日と温かなぬくもりで目が覚めると、昨日の夜はお互いに背中合わせに寝たはずなのに、グルはエルモを後ろから抱きしめて眠っていた。
グルの腕の中は心地よく、不思議とエルモを温かな気持ちにさせてくれた。
(まだ寝てる?)
エルモは寝返りを打ち、近くで眠るグルの寝顔を、しばらく眺めた。
とつじょ眉間にシワが寄り、グルのエメラルド色の瞳が開き。
「何、見てんだ?」
(あなたの寝顔を見ていたなんて、言えるわけがない)
「べ、別に……お、おはようございます」
「そう? おはよう」
恋人同士でも無いのに一緒の布団で眠る、ちょっと変なエルモとグルの関係だ。