【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
濡れたシャツは洗濯物カゴに入れて、新しいシャツに着替えた。
夜も遅くなり火の精霊たちは「おねむーっ」「帰る」「また、呼んでね」と、グルに伝えて消えていった。
「キュー」
「ほかに怪我していないか見てるから、すこし我慢しろ!」
キッチンのテーブルでグレの体をチェックするグル。
グレはあちこち触られるのを嫌がっている。
「グレちゃん、我慢だよ」
「キューーッ」
エルモが近寄ったとたんグレはテーブルを蹴って飛び上がり、彼女のひたいに肉球をポプッと押しつけた。
その途端にエルモの体の力が抜け、崩れ落ちるところを、グルはあわてて抱えた。
「兄貴! エルモにいきなり睡魔の魔法を使うな」
眠ったエルモをグルは抱きかかえて、ベッドまで運びソッと寝かせた。
「うるさい、おれは人間が大嫌いなんだよ!」
「だからといって、急にやる事はないだろう!」
睨み合うグルとグレ。
「なんだ? グルはその人間がお気に入りなのか? 辞めとけ……最後に嫌われるのはオレ達だ」
「それは……まだ、わからない!」
「はあ? そうに決まっている! グルにはオレと同じ目に合わせたくない。辛く、胸が引き裂かれるほどの衝撃を受けるんだぞ!」
ーー兄貴を裏切った、あの子か…
「わかってるよ」
好意があるように兄貴に近付き。
あの子は兄貴を裏切り、俺たちと共に暮らしていた緑の精霊に俺たちが嫌われる原因を作った人間。
「いや、お前はわかってない……グル。そうだ明日は満月だな、月に一度だけオレたちが戻ることが許された日。オレがその子を見極めてやる」
「ダメだったら、エルモをどうする」
「この家から、いや村から追い出す」
「……グレ」
「お前は何があっても、口をだすなよ!」
どうやら、兄貴は本気のようだ。
夜も遅くなり火の精霊たちは「おねむーっ」「帰る」「また、呼んでね」と、グルに伝えて消えていった。
「キュー」
「ほかに怪我していないか見てるから、すこし我慢しろ!」
キッチンのテーブルでグレの体をチェックするグル。
グレはあちこち触られるのを嫌がっている。
「グレちゃん、我慢だよ」
「キューーッ」
エルモが近寄ったとたんグレはテーブルを蹴って飛び上がり、彼女のひたいに肉球をポプッと押しつけた。
その途端にエルモの体の力が抜け、崩れ落ちるところを、グルはあわてて抱えた。
「兄貴! エルモにいきなり睡魔の魔法を使うな」
眠ったエルモをグルは抱きかかえて、ベッドまで運びソッと寝かせた。
「うるさい、おれは人間が大嫌いなんだよ!」
「だからといって、急にやる事はないだろう!」
睨み合うグルとグレ。
「なんだ? グルはその人間がお気に入りなのか? 辞めとけ……最後に嫌われるのはオレ達だ」
「それは……まだ、わからない!」
「はあ? そうに決まっている! グルにはオレと同じ目に合わせたくない。辛く、胸が引き裂かれるほどの衝撃を受けるんだぞ!」
ーー兄貴を裏切った、あの子か…
「わかってるよ」
好意があるように兄貴に近付き。
あの子は兄貴を裏切り、俺たちと共に暮らしていた緑の精霊に俺たちが嫌われる原因を作った人間。
「いや、お前はわかってない……グル。そうだ明日は満月だな、月に一度だけオレたちが戻ることが許された日。オレがその子を見極めてやる」
「ダメだったら、エルモをどうする」
「この家から、いや村から追い出す」
「……グレ」
「お前は何があっても、口をだすなよ!」
どうやら、兄貴は本気のようだ。