【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
二十
悲しげに「裏切られた」と言った。
「裏切られた? ……だ、誰にですか?」
月明かりのなか、声の主を探し始めたエルモに圧倒されたのか、若干どもりながら話しはじめる。
「――こ、子供の頃、も、森で、怪我をしたオレを不思議な力で癒してくれた女の子だ……」
「え?」
怪我を不思議な力で治した女の子?
この話なんだか、乙女ゲームと似ているわ。
「……その女の子はさ、オレがの怪我が治っても森に会いにきてくれて、怖がらずオレに優しく接してくれた。何度も、いや何年もその子と会ううちにオレは彼女に惹かれて、彼女もまたオレを好きだと思っていた…………だからオレは告白してその子と番になって、森で仲良く暮らせると思っていた……」
一段と沈んだ声になる。
「いっしょに過ごしたのに――その子はあなたからの告白を喜ばなかったの?」
「ああ、彼女は告白したオレをあざ笑った。わたしは養子に入って伯爵令嬢になったの。あなたみたいな野蛮な白いトラなんて『フラグが立ってしまえば要らないの!』だって」
フラグ?
その言葉を使って白いトラと出会う、その子は転生者。
ヒロインーーリリア!
「裏切られた? ……だ、誰にですか?」
月明かりのなか、声の主を探し始めたエルモに圧倒されたのか、若干どもりながら話しはじめる。
「――こ、子供の頃、も、森で、怪我をしたオレを不思議な力で癒してくれた女の子だ……」
「え?」
怪我を不思議な力で治した女の子?
この話なんだか、乙女ゲームと似ているわ。
「……その女の子はさ、オレがの怪我が治っても森に会いにきてくれて、怖がらずオレに優しく接してくれた。何度も、いや何年もその子と会ううちにオレは彼女に惹かれて、彼女もまたオレを好きだと思っていた…………だからオレは告白してその子と番になって、森で仲良く暮らせると思っていた……」
一段と沈んだ声になる。
「いっしょに過ごしたのに――その子はあなたからの告白を喜ばなかったの?」
「ああ、彼女は告白したオレをあざ笑った。わたしは養子に入って伯爵令嬢になったの。あなたみたいな野蛮な白いトラなんて『フラグが立ってしまえば要らないの!』だって」
フラグ?
その言葉を使って白いトラと出会う、その子は転生者。
ヒロインーーリリア!