【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
(え、寝ちゃったの? グルさんとほっぺが引っ付いたままだよ)
どうしようか悩んでいるうちにグルから熱がつたわり、エルモを二度寝の眠りに誘う。
今日は「精霊の森に行く」と約束したのに。
「グルさん、朝だよ。起きないの?」
「んー、もー少し寝る。エルモもゆっくりして、いいぞ」
「……フフ、わかった」
グルさんの言葉に甘えて、私も目を瞑った。
「……ンッ」
グルの温もりを感じ、二度寝の眠りから覚める。あれ……眩しい、いま何時? 隣のねぼすけグルを見ると。
グルはエルモの寝姿をとなりで肩肘をつき、目を細め見つめていた。
(グルさん?)
「おはよう、エルモ」
「おはようございます、フワァ、よく寝ました」
「フワァ、俺もよく寝た……」
寝ぼけ顔の二人の緩やかな朝? ……違う、お昼が始まるのかな?
「お腹空きましたね。朝? お昼? の、ご飯の準備始めます」
「ん、頼む……アレ、兄貴は静かだな」
「そうですね……」
グルの言う通り。いつもなら「腹減った!」と、二人の間に入って寝ているのに。グレはどこだと探すと、近くから声が聞こえた。
「グーグー、オレは腹が減って拗ねて寝ている。ラブラブな二人はオレを起こすな!」
グレはベッドの隅っこで拗ねて、丸まり狸寝入りをしていた。