【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)

二十七

 朝早く目を覚ますと、胸元にキラリと光るものがあった。

 それはグルの瞳と同じエメラルド色の石が付いた。

「綺麗な……ペンダント」
「エルモ、気に入った?」

 胸元のペンダントを眺めるエルモを、グルはそばでみつめていた。

「おはよう、グルさん。とても気に入りました」

「良かった、エルモ、おはよう」

 グルから頬をスリスリ朝の挨拶をさせる。
 そのときグルのパジャマの隙間から見えた胸元にエルモの瞳の色と同じ、サファイア色の石がついたペンダントをみつけた。

「あ、私の瞳の色?」

「気付いた? エルモのは俺の色で、俺はエルモの色で作った」

「このペンダント、グルさんの手作りなの? 嬉しい。ありがとう、大切にするね」

 微笑んだエルモの頬にグルは優しくキスをした。

 次にエルモの唇にキスしたいと視線で伝えると、エルモはコクンと頷き瞳を瞑る。
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