【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
「おい、この店か?」
「ああ、スゲェ可愛い看板娘がいるって聞いた」
「どれどれ?」
「お前ら……他の客がいるんだ、静かにしろ!」
長身でガタイが良く、白い鎧を着て腰に剣をさす男性達。その人達の胸と質の良いマントに鷹と剣の紋章が付いていた。
(あの鷹と剣はこのサーティーア国の国章だわ……国境を通る時に見た覚えがある。だとすると、この人達はサーティーアの騎士?)
「いたぞ、そこのレジだ!」
一人の男があげた声に他の二人は集まり。レジにいるエルモを上から下まで、舐めるような視線で見てくる。
なんて、嫌な目。
「本当だ、可愛い」
「だろう? この前ここを通ったときに、店の片付けをするこの子を見たんだー」
「お前、名前は?」
ずらっと三人の若い男がレジに集まり、会計をしたい他のお客さんの邪魔をした。
彼らの行動と発言は騎士らしからぬ下品だ。
「すみません、他のお客さんの邪魔になります」
声を上げてエルモは騎士達に注意をした。――その時またドアベルが鳴り、店にもう一人騎士が現れる。
「先輩達探しましたよ~。こんな街のパン屋でなにしているんすか? そろそろ戻らないと訓練に遅れますよ」
「わかっているよ、お前は外で待っていろ!」
「待っていますけど~。今日、訓練に遅れると騎士団長に怒られますって~先輩!」
「うるさい、お前が騎士団長に上手く言えばいいんだ」
「ゲッ、先輩酷いなぁ~。僕が言えないの知っているでしょう」
エルモは遅れて入ってきた、この男に見覚えがあった。
(うそ、なんで? こんな所にこの人がいるの?)
その男は男達と同じ――サーティーア国の鎧を着ている。エルモはこの男に正直会いたくなかった。
『君、いつまでエルドラッド殿下の側にいるのさぁ~? 君がいるとリリアが悲しむん、さっさと去れよ』
会えばリリアがと。当時――公爵令嬢のエルモに絡んできた。
金色に近い茶髪と人懐っこい垂れ目の琥珀色の瞳。伯爵家の次男アルベルト・ローリス、乙女ゲームの攻略対象の一人、チャラ男だ。
「ああ、スゲェ可愛い看板娘がいるって聞いた」
「どれどれ?」
「お前ら……他の客がいるんだ、静かにしろ!」
長身でガタイが良く、白い鎧を着て腰に剣をさす男性達。その人達の胸と質の良いマントに鷹と剣の紋章が付いていた。
(あの鷹と剣はこのサーティーア国の国章だわ……国境を通る時に見た覚えがある。だとすると、この人達はサーティーアの騎士?)
「いたぞ、そこのレジだ!」
一人の男があげた声に他の二人は集まり。レジにいるエルモを上から下まで、舐めるような視線で見てくる。
なんて、嫌な目。
「本当だ、可愛い」
「だろう? この前ここを通ったときに、店の片付けをするこの子を見たんだー」
「お前、名前は?」
ずらっと三人の若い男がレジに集まり、会計をしたい他のお客さんの邪魔をした。
彼らの行動と発言は騎士らしからぬ下品だ。
「すみません、他のお客さんの邪魔になります」
声を上げてエルモは騎士達に注意をした。――その時またドアベルが鳴り、店にもう一人騎士が現れる。
「先輩達探しましたよ~。こんな街のパン屋でなにしているんすか? そろそろ戻らないと訓練に遅れますよ」
「わかっているよ、お前は外で待っていろ!」
「待っていますけど~。今日、訓練に遅れると騎士団長に怒られますって~先輩!」
「うるさい、お前が騎士団長に上手く言えばいいんだ」
「ゲッ、先輩酷いなぁ~。僕が言えないの知っているでしょう」
エルモは遅れて入ってきた、この男に見覚えがあった。
(うそ、なんで? こんな所にこの人がいるの?)
その男は男達と同じ――サーティーア国の鎧を着ている。エルモはこの男に正直会いたくなかった。
『君、いつまでエルドラッド殿下の側にいるのさぁ~? 君がいるとリリアが悲しむん、さっさと去れよ』
会えばリリアがと。当時――公爵令嬢のエルモに絡んできた。
金色に近い茶髪と人懐っこい垂れ目の琥珀色の瞳。伯爵家の次男アルベルト・ローリス、乙女ゲームの攻略対象の一人、チャラ男だ。