【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
彼は両手を広げて「そんなこと知るか」と、大袈裟なジェスチャーをする。
「その内容について、エルモに教える義理なんてない。お前のせいで俺は婚約破棄されたんだからな。あのままレイナ嬢と結婚でいていれば、俺はリリアのそばを離れず、こんな所で騎士になんてならなくて済んだ」
(レイナ様と、婚約破棄?)
アルベルトは睨んできたけど――そんなことはどうでもいい。そっか、レイ……良かった。この男と婚約破棄したのね……婚約者をほったらかしにするような男は、真面目なあなたには相応しくない。
婚約破棄の一週間前――彼女は私に告げた。「エル聞いて、私ね。アルベルト様の他に……好きな人が出来てしまったの」と。
(アルベルトとレイが婚約破棄をしたのなら、学園の書庫で出会った……伯爵家の彼と結ばれたのかな?)
そうだとしたら、なんて喜ばしいこと。
「チッ、何を笑ってんだ~? エルモ」
「なるようになったと言いたいわ――騎士様は婚約者の方を放置過ぎたのよ……彼女は寂しがっていた。あなたがリリアにうつつを抜かさなければ、レイの気持ちは離れなかったわ!」
彼女はアルベルトが好きだった。あなたがリリアと寄り添い、笑い合うとき……彼女は傷付き、悲しさに大粒の涙をこぼしていた。
「あなたなんかに、彼女の悲しみなんてわからない!」
「うるさい、自分はどうだ? リリアちゃんに王子を取られて? あんな大勢の前で恥をかかされて、公爵令嬢から村娘にまで落ちた気分はどうだ? 最悪だろう?」
――どうって? 私は笑った言える。
「全然最悪じゃない! むしろいまの方がとても幸せよ。だって私……」
(えっ!)
朝、グルに貰ったペンダントが胸元で光を放ち。
「「好きな男ができた」だよな、エルモ」
「グッ、グルさん!」
光の中からとつぜんグルが現れて、エルモを抱き寄せた。
「その内容について、エルモに教える義理なんてない。お前のせいで俺は婚約破棄されたんだからな。あのままレイナ嬢と結婚でいていれば、俺はリリアのそばを離れず、こんな所で騎士になんてならなくて済んだ」
(レイナ様と、婚約破棄?)
アルベルトは睨んできたけど――そんなことはどうでもいい。そっか、レイ……良かった。この男と婚約破棄したのね……婚約者をほったらかしにするような男は、真面目なあなたには相応しくない。
婚約破棄の一週間前――彼女は私に告げた。「エル聞いて、私ね。アルベルト様の他に……好きな人が出来てしまったの」と。
(アルベルトとレイが婚約破棄をしたのなら、学園の書庫で出会った……伯爵家の彼と結ばれたのかな?)
そうだとしたら、なんて喜ばしいこと。
「チッ、何を笑ってんだ~? エルモ」
「なるようになったと言いたいわ――騎士様は婚約者の方を放置過ぎたのよ……彼女は寂しがっていた。あなたがリリアにうつつを抜かさなければ、レイの気持ちは離れなかったわ!」
彼女はアルベルトが好きだった。あなたがリリアと寄り添い、笑い合うとき……彼女は傷付き、悲しさに大粒の涙をこぼしていた。
「あなたなんかに、彼女の悲しみなんてわからない!」
「うるさい、自分はどうだ? リリアちゃんに王子を取られて? あんな大勢の前で恥をかかされて、公爵令嬢から村娘にまで落ちた気分はどうだ? 最悪だろう?」
――どうって? 私は笑った言える。
「全然最悪じゃない! むしろいまの方がとても幸せよ。だって私……」
(えっ!)
朝、グルに貰ったペンダントが胸元で光を放ち。
「「好きな男ができた」だよな、エルモ」
「グッ、グルさん!」
光の中からとつぜんグルが現れて、エルモを抱き寄せた。