【短】失恋スタートライン


「高瀬くんってどんな子が好き?」

「長い黒髪を三つ編みにしてて眼鏡で読書が似合う物静かな大人の女性」

「私と真逆じゃないですか!」



アッシュブラウンの肩下くらいの長さの髪を内巻きにしてて、視力は2.0で眼鏡の必要はなし。

読むのは少女漫画で、静かでもなければ大人な女性なんてかけ離れている。


いやでも、こうやって好きなタイプを教えてもらえただけですごい進歩だ。

好きなタイプには程遠いかもしれないけど。


こうやって少しずつ、距離を縮めていけたらいいな。


高瀬くんと裕介くんに手を振り本日の朝の日課はおしまい。

今日も素敵な1日になりそう。



「りず、最近すごい頑張ってるじゃん」

「でしょ?彼女になるのも時間の問題かも!なんちゃって」

「あはは、夢見すぎ」



教室に戻れば彩ちゃんに高瀬くんとの報告をする。

これも日課になっている。

まぁ、まだ彼女の座をゲットするにはまだまだ長い道のりだけど、ちょっとくらい夢も見たっていいじゃん。


本当に大好きだなって、最近ますます思うんだもん。

高瀬くんのことを考えるだけで胸がいっぱいになる。


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