【短】失恋スタートライン
「もうすごい好き。どうしよう、告白する」
「え?」
「きっと私の存在を知らないと思うんだよね」
「ま、まぁそうだとは思うけどいきなりは……」
彩ちゃんが苦笑を浮かべるけど、私はそんなの気にしない。
これだけ好きなのに、今まで行動しなかった方がおかしい。
あれだけかっこいいんだから、高瀬くんはすぐに彼女を作ってしまう。
私の調査によると、現在は彼女がいないみたいだし。
彼女がいても関係ないけど、さすがに想いを伝えるのは気が引ける。
だったら、今のうちに想いを伝えて、あわよくば私が高瀬くんの彼女の座をいただきたいところだ。
「今日の昼休みに告白してくるね!」
「りずはいっつも急だね」
「ドキドキする~」
「聞いてないし」
高瀬くんの前に立つってだけで恐れ多いな。
でも、そろそろ私の気持ちも知ってほしいから。
高瀬くんが校舎の中に入ってくるのを見ながら、ドキドキと速くなる鼓動を感じていた。