【短】失恋スタートライン
高瀬くんのクラスは私のクラスと1番離れていて、端と端になっているから急がないと!
廊下を早歩きしている途中でチャイムが鳴った。
それと同時に教室から生徒が出てくる。
その間を縫って、高瀬くんの元へ。
教室の前に着いたらちょうど高瀬くんが出てきたところだった。
隣には高瀬くんの友達もいる。
けど、ここを逃すわけにはいかない。
素晴らしいタイミングで出てきたからこれはきっと運命だ。
神様は私に味方をしている。
意を決して高瀬くんの目の前に立つ。
「あ、あの……!」
そして、思いのほか背の高い高瀬くんを見上げ声をかけた。
こんなに近くで高瀬くんの顔を見たのは初めてで、ずっと遠くから見ていた人物が目の前にいるという事実に思わずクラッとくる。
かっこよすぎる……!
高瀬くんのまぶしさに失神しそうになるけど、何とか堪えて頑張って高瀬くんを見つめる。
やっぱり、かっこいい!!
「あ、ちょっと待って!」
「何?」
高瀬くんのかっこよさに言葉を失って見つめていたせいで、肝心の内容を話せなかった。
いけない、いけない。