待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~

 きっと酔っていたのだろう。
 そんなこと今までしたこともないのに、私は道端に転がっていた缶を思いっきり蹴った。

 はっきり言ってその時の私は、酔っ払っていたわけで……。
 次の瞬間に起こることは、私にも予想できなかったことだ。

「いっ……!」

 突然、そんな声が聞こえた。

「へ?」

 ふと足元を見る。蹴った筈の缶がある。

(なら、なんで声が……)

< 18 / 83 >

この作品をシェア

pagetop