待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~
きっと酔っていたのだろう。
そんなこと今までしたこともないのに、私は道端に転がっていた缶を思いっきり蹴った。
はっきり言ってその時の私は、酔っ払っていたわけで……。
次の瞬間に起こることは、私にも予想できなかったことだ。
「いっ……!」
突然、そんな声が聞こえた。
「へ?」
ふと足元を見る。蹴った筈の缶がある。
(なら、なんで声が……)