待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~
1章:初めてのあと

 次の日の朝。

「おはよう」
「お、おはようございます」

 ベッドの中のまま目の前の裸の彼は、恥ずかしくて視線を逸らした私の額にキスを落として、もう一度強く私を抱きしめる。

 驚いて固まっていると、次は唇にキスを落とされた。

(もう数えられなくなってる……)

 昨日の夜までは、一回、二回と数えられていたのに、もう今朝にはその回数は全く分からなくなっていた。

 そう考えるだけで昨日の夜の出来事が脳裏に浮かんでしまい、私は慌てて首を振る。
 こちらを見た彼は私の髪を撫でた。

「かわいかった。少し無理させたが、俺を受け入れてもらえてよかった」

 その言葉に、勝手に下腹部がキュッとなる。
 そうすると彼が自分の中でまだ主張しているような気がした。

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