待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~

「……壮一」

 唇が離れた瞬間、思わず、呟いていた。
 壮一とした初めての、そして、一度きりのキスと同じだと思ったから。

 それからハッと我に返る。
 心底不機嫌そうに眉を寄せた柑士さんと目が合った。

「あ、ご、ごめんなさい」

 慌てて頭を下げる。
 しかし、次の瞬間には、後ろにあるベッドに押し倒されていた。
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