待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~
4章:初めての夜
その二日後、仕事からまっすぐ家に帰るとポストに入っていたのはピンク色のモチーフにふちどられた白い封筒。
それが目に入った瞬間、嫌な予感がしたけど、その予感は的中だった。
『Wedding Invitation』
そう書かれた文字に、並ぶ壮一と椎野さんの名前。
一瞬息が詰まったが、椎野さんは私の後輩だ。
招待されるのは当たり前のことかもしれない。
「ふたりの結婚、ちゃんとお祝いしないと……」
そう言葉にするとやけに切なくなって泣けてきた。
自分が持つまだ吹っ切れていない気持ちの大きさに気づく。
泣きながら、私はある決意をしていた。