待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~

「そう固くなるな、大丈夫だから」

 そう言われた相手を見上げると、彼の目はとろりと甘くて優しい。
 少し不安になった瞬間、唇に小さなキスが落ちる。これは三回目のキス。

 最初の二回は少し乱暴だったけど、あれで彼が私の夫になるのだとガツンとわからされた気がした。

 唇を離したと思ったら、次は初めての長いキスを交わす。これが、四回目。
 彼の唇の熱を感じて、長いキスに酔いしれたまま唇を離すと、彼は大きな熱い手のひらで私の頬に触れた。

「ただ、最初のキスの時みたいに、他の男の名前は呼ぶな。優しくしてやれなくなる」

 少し脅しがかった言葉に身体がビクリと跳ねる。
 彼はここまで自分のものだと主張するように、髪を一束持ち上げて、髪先にもキスを落とした。

 それから首筋に熱いキスを落とす。

 ちゅ、ちゅ、とリップ音をさせながら、そっとルームウェアに手を差し込まれる。
 お風呂上がりだったのでブラのない胸に、すぐに手が触れた。

 肩がすくんだけど、安心させるように彼はまた私に口づける。
 そうされると少しほっとして、そのキスに酔いしれることができた。
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