待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~

「んっ……。ちょっ……、か、柑士さん?」

 そのうち、手が背中を直接撫でる。
 自分で自分が支えきれなくなって、柑士さんに抱き着いた私を彼は強く抱きしめた。

「ここでこんなことすると、仕事するたびに思いだしそうだな」
「っ……や! じゃ、じゃあやめてくださいっ……」
「ひよりが俺を思い出す場所も増やしたいんだ」

 気付いたら、出勤まで肌を重ねていた。
< 61 / 83 >

この作品をシェア

pagetop