待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~
7章:変化する気持ち
それからも毎日のように、私たちは抱き合っていた。
特に夜が長かったなぁ、と思う日は、大抵やはり男性社員と言葉を交わした日だった。
うちは男性社員が多いので、つまり、ほぼ毎日だが……。
「ひより、好きだ。愛してる」
「んっ……」
「名前を呼べ。お前の前にいるのは誰だ」
「柑士さんっ、です」
ベッドの中で、彼はよく自分の名前を呼ばせた。
彼は独占欲を隠そうともしなかった。
一回りも年上なのだから男の影なんて気にもしないのだろうと思っていた私の予想は大幅に外れ、彼はそこだけ大人の余裕なんてまるでないと言わんばかりに、他人の影を嫌がったのだ。