待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~

 私も一つ食べ、思った以上にうまくできたことに自己満足する。
 気づいたら、次は柑士さんが私の方を見ていて、食べ終わって目が合った瞬間、唇が合わさる。

「オレンジの味がするな」

 そう呟いたと思うと、舌が口内を這う。

「んんっ」

 驚いたけど、あたり前のように舌を絡め合って、それすらもう馴染んでいることに気づく。

「ちょっと待って。もっとゆっくり食べて」
「あぁ、ゆっくりいただく」

 そう言ったと思ったら、ソファに押し倒された。

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