待てない柑士にひよりあり ~年上御曹司は大人げなくも独占欲が止められない~
8章:思いだした言葉

 次の日は月曜日だったのに、結局深夜まで抱き合った。

 私がぐっすり眠っていた間も柑士さんは仕事をしていたようで、さらに私が起きる前に「いってきます」と声をかけられて、早朝に仕事に出かけた。

「なんなのあの体力……」

 私は会社に行って、まだ始業前の時間だったのでデスクに顔をつけてぐったりしていた。

 今後も柑士さんの果てしない体力に付き合える自信はないが、でも、そうしたいと思ってしまっている自分に気づく。

「パンも、喜んでたな。オレンジ好きなのかな。また焼いてみよう」

 身体だけではない、彼を少しずつ知れることも、嬉しかった。
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