初恋を拗らせたワンコ彼氏が執着してきます
「え……わざわざ?」
確かに後から説明されるより状況が分かってスッキリしたけれど、社長まで巻き込んだとは驚きだ。
「ただでさえ、あなたと気まずくなってたから焦ったんだよ」
「唯花さん、もう諦めた方がいいよ。ウチの長男あなたへの執着心がすごいから」
桜田社長の言葉に透が面白くない顔をする。
「執着心が強いのは認めますが、母を見初め、攻めに攻めて口説き落とし周囲の反対を押し切るために子供まで作ったような人に言われたくありませんね」
「はは、そうだったね」
社長はわざとらしく頭を掻いている。
「あの……失礼ですが、社長は今おいくつでいらっしゃるんですか?」
「僕は今38歳。29歳の時に37歳だった透君のお母さんに一目ぼれしてね。彼ごと貰ったんだよ」
(ひえ、社長、私と6歳しか違わない……)
少々複雑な気持ちになっていると桜田社長は表情を改める。
「当時僕らのせいで透くんは『結婚でもなんでも勝手にすればいい。俺も一人で好きに生きる』って言って自棄になってしまったんだ。それを変えてくれたのは唯花さんだ。ありがとう」
その口調からは社長としての威圧感のようなものはなかった。
確かに後から説明されるより状況が分かってスッキリしたけれど、社長まで巻き込んだとは驚きだ。
「ただでさえ、あなたと気まずくなってたから焦ったんだよ」
「唯花さん、もう諦めた方がいいよ。ウチの長男あなたへの執着心がすごいから」
桜田社長の言葉に透が面白くない顔をする。
「執着心が強いのは認めますが、母を見初め、攻めに攻めて口説き落とし周囲の反対を押し切るために子供まで作ったような人に言われたくありませんね」
「はは、そうだったね」
社長はわざとらしく頭を掻いている。
「あの……失礼ですが、社長は今おいくつでいらっしゃるんですか?」
「僕は今38歳。29歳の時に37歳だった透君のお母さんに一目ぼれしてね。彼ごと貰ったんだよ」
(ひえ、社長、私と6歳しか違わない……)
少々複雑な気持ちになっていると桜田社長は表情を改める。
「当時僕らのせいで透くんは『結婚でもなんでも勝手にすればいい。俺も一人で好きに生きる』って言って自棄になってしまったんだ。それを変えてくれたのは唯花さんだ。ありがとう」
その口調からは社長としての威圧感のようなものはなかった。