怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
もしかしたら交際を申し込まれるかもしれないから、と正直な理由は言えなかった。
夢みたいな妄想ばかりして子どもっぽいとあきれられるに違いない。
「デートだからテンション上がってるの。束縒はそんな私が羨ましいのかな?」
「違うわ! 冬璃は素直じゃないところがあるのに、あの男は物好きだよな」
「もう! 減らず口なんだから」
私がぷくっと頬を膨らませれば、束縒は右手を伸ばしてきて人差し指で荒っぽくそれをつつく。
私がこうして冗談を言い合える異性は、実は束縒だけだったりする。
憲一朗さんとはなぜだかバカ話はできない。
「ところで束縒、ここにいても大丈夫なの?」
私の問いかけに、彼はゆっくりと首を縦に振った。
仕事があるならこんなところでゆっくりと油を売っていていいはずがないと心配になる。
「取引先とこれからこの近くで会食。ここには用事があって立ち寄ったけど、冬璃の姿が見えたから声をかけた」
「そっか、社長さんはいろいろ大変だね」
「冬璃だって社長だろ」
夢みたいな妄想ばかりして子どもっぽいとあきれられるに違いない。
「デートだからテンション上がってるの。束縒はそんな私が羨ましいのかな?」
「違うわ! 冬璃は素直じゃないところがあるのに、あの男は物好きだよな」
「もう! 減らず口なんだから」
私がぷくっと頬を膨らませれば、束縒は右手を伸ばしてきて人差し指で荒っぽくそれをつつく。
私がこうして冗談を言い合える異性は、実は束縒だけだったりする。
憲一朗さんとはなぜだかバカ話はできない。
「ところで束縒、ここにいても大丈夫なの?」
私の問いかけに、彼はゆっくりと首を縦に振った。
仕事があるならこんなところでゆっくりと油を売っていていいはずがないと心配になる。
「取引先とこれからこの近くで会食。ここには用事があって立ち寄ったけど、冬璃の姿が見えたから声をかけた」
「そっか、社長さんはいろいろ大変だね」
「冬璃だって社長だろ」