怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
レストラン側も、私がひとりで待ちぼうけを喰らっているので、どうしたものかという感じなのだろう。
私も気が気ではなくなってきて、スマホをいじりながらずっとそわそわしている。
彼の会社にも電話をしてみたのだが、とっくに出たと言われた。
それとなく聞いてみたが、事故にあったとか急病で倒れたという連絡は入っていないみたいだ。
だとしたら憲一朗さんの家族になにかあって駆け付けているとか?
それなら私に電話くらいできるだろうし……。
頭の中で理由を探っていたら、さらに四十分が経過していた。
待ち合わせは十九時だったけれど、現在の時刻は二十時三十分。
さすがにレストランの人たちに申し訳ないので、ていねいに謝罪して今日はこのまま帰ろうと考えた。
せっかく予約を譲ってくれたのに、こんなことになってしまって、束縒にも申し訳がない。
ふぅーっと小さく息を吐いて、席を立とうとしたときだった。
ノックもなしに個室の出入口の扉が勢いよくバーンと開いた。
憲一朗さんがあわててやって来たのかと思ったが、そこに立っていたのは束縒だった。
走ってきたのか、ぜーぜーと息を切らして肩を大きく上下させている。
「束縒……いったいどうしたの?」
私も気が気ではなくなってきて、スマホをいじりながらずっとそわそわしている。
彼の会社にも電話をしてみたのだが、とっくに出たと言われた。
それとなく聞いてみたが、事故にあったとか急病で倒れたという連絡は入っていないみたいだ。
だとしたら憲一朗さんの家族になにかあって駆け付けているとか?
それなら私に電話くらいできるだろうし……。
頭の中で理由を探っていたら、さらに四十分が経過していた。
待ち合わせは十九時だったけれど、現在の時刻は二十時三十分。
さすがにレストランの人たちに申し訳ないので、ていねいに謝罪して今日はこのまま帰ろうと考えた。
せっかく予約を譲ってくれたのに、こんなことになってしまって、束縒にも申し訳がない。
ふぅーっと小さく息を吐いて、席を立とうとしたときだった。
ノックもなしに個室の出入口の扉が勢いよくバーンと開いた。
憲一朗さんがあわててやって来たのかと思ったが、そこに立っていたのは束縒だった。
走ってきたのか、ぜーぜーと息を切らして肩を大きく上下させている。
「束縒……いったいどうしたの?」