怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
声を上げながら取り乱す私を見て、束縒が咄嗟にギュッと抱きしめた。
私を落ちつかせるために背中をやさしくポンポンとする束縒の胸に額を預けていると、ポロポロと涙があふれ始める。
憲一朗さんに聞きたいことはたくさんある。
私との交際は微塵も考えていなかったのか。
私を女として好きではなかったのか。
私と約束をしていた今日に、どうして記者会見を開いたのか。
「とにかくアイツはクソ野郎だってことだ」
束縒は体を少し離し、私と目線の高さを合わせながら至近距離でそう言った。
「ウキウキしながら待ってたのに……なんなの、これ」
浮かれていた。彼も私を好いているかもしれないなんて、完全に自惚れだった。
憲一朗さんが実際に付き合っていたのは友永さんで、愛しているのも彼女のほうだ。
天国から一気に地獄に突き落とされたような気持ちになった。
だけど、憲一朗さんが私ではなくほかの女性を選んだ……それは紛れもない事実だ。
私を落ちつかせるために背中をやさしくポンポンとする束縒の胸に額を預けていると、ポロポロと涙があふれ始める。
憲一朗さんに聞きたいことはたくさんある。
私との交際は微塵も考えていなかったのか。
私を女として好きではなかったのか。
私と約束をしていた今日に、どうして記者会見を開いたのか。
「とにかくアイツはクソ野郎だってことだ」
束縒は体を少し離し、私と目線の高さを合わせながら至近距離でそう言った。
「ウキウキしながら待ってたのに……なんなの、これ」
浮かれていた。彼も私を好いているかもしれないなんて、完全に自惚れだった。
憲一朗さんが実際に付き合っていたのは友永さんで、愛しているのも彼女のほうだ。
天国から一気に地獄に突き落とされたような気持ちになった。
だけど、憲一朗さんが私ではなくほかの女性を選んだ……それは紛れもない事実だ。