怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
「あらぁ、素敵なレストランでお食事なんですね。もしかしたら交際を申し込まれるのではないですか?」

「そうだったらうれしいけどなぁ」

「十分あり得ますよ。今後とんとん拍子に結婚まで話が進むかもしれませんね! 式の予定が決まったらすぐに教えてくださいね。たしかに私も老け込んでいる場合ではありませんよね。微力ながらいろいろお手伝いさせていただきたいので、今から体力づくりをしておきます!」


 まるでもう私の結婚が決まったかのように、久米さんが喜々(きき)とした表情で体を小刻みに揺らせながら話している。


「冬璃さんのウエディングドレス姿はさぞお綺麗でしょうね。赤ちゃんが生まれたら、その子は天使のようにかわいくて」

「まだ付き合ってもないんだから、いくらなんでも先走りすぎだよ」

 
 久米さんにはそう言いつつも、憲一朗さんとの結婚式を想像したら、自然と顔がニヤけて赤くなった。

 彼と一緒に暮らして子育てをするシーンが次々と勝手に頭に浮かんでくる。
 お互い忙しくしていても年に何度か家族旅行ができたらいいな。みんなが笑顔でいられる、そんな温かな家庭を持つのが私の夢だ。


「冬璃さんは明るい性格ですから、楽しい家庭になりそうですね」


 久米さんに心を読まれたみたいで恥ずかしくて、思わずうつむいた。


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