怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
その日、仕事を終えて家に帰ると、キッチンから食欲をそそる良い香りが漂っていた。
「おかえり」
「ただいま。なに? カレー?」
換気扇を稼働していても、見なくてもわかるくらいカレーの匂いがしていた。
仕事から帰ってきてから冬璃が作ったのだろうか。
「電気圧力鍋が欲しくて買ったの。材料を入れておいたら勝手に調理してくれる優れものなんだよ? 今朝仕事に行く前に仕込んでおいたんだ」
なるほど。新しい家電を使いたくなる気持ちはわかる。
だけど、冬璃が出勤前の忙しい朝にキッチンで準備していったことに少々驚いた。
「束縒はこういうの……食べないよね?」
「なんで?」
「だって、普通のカレーだよ? スパイスから時間をかけて作ったやつじゃないし……」
俺はどんなイメージを持たれてるんだ。
ルウを使ったカレーだって、家庭的で十分うまいと思う。
俺にとっては、冬璃が作ったものならなんでもおいしく感じるのだが。
「おかえり」
「ただいま。なに? カレー?」
換気扇を稼働していても、見なくてもわかるくらいカレーの匂いがしていた。
仕事から帰ってきてから冬璃が作ったのだろうか。
「電気圧力鍋が欲しくて買ったの。材料を入れておいたら勝手に調理してくれる優れものなんだよ? 今朝仕事に行く前に仕込んでおいたんだ」
なるほど。新しい家電を使いたくなる気持ちはわかる。
だけど、冬璃が出勤前の忙しい朝にキッチンで準備していったことに少々驚いた。
「束縒はこういうの……食べないよね?」
「なんで?」
「だって、普通のカレーだよ? スパイスから時間をかけて作ったやつじゃないし……」
俺はどんなイメージを持たれてるんだ。
ルウを使ったカレーだって、家庭的で十分うまいと思う。
俺にとっては、冬璃が作ったものならなんでもおいしく感じるのだが。