怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
「行ってきます」と久米さんに声をかけ、ウキウキとしながらネイルサロンへ足を運ぶ。
指先が映えるようにかわいらしいピンクカラーのデザインに仕上げてもらうと、羽が生えたように心が弾んだ。
「とてもお似合いですよ」と言われ、ニコニコしながらサロンをあとにすれば、向かう先はサンセリテホテルだ。
憲一朗さんが来るまでにはまだ時間があったので、ホテル内のカフェで待つことにした。
明るい窓際の席に腰を下ろして注文したアイスティーを口に含むと、香ばしい茶葉の香りが鼻腔に届く。
やっぱりここのホテルの紅茶はおいしい。
「レストランの予約で俺を使うなよ」
気を緩めていたところに真後ろから声がして、思わずビクッと肩を震わせてしまう。
「脅かさないでよ。心臓に悪い」
声をかけてきたのは束縒だった。静かに私の向かい側の椅子に腰を下ろし、優雅に長い足を組む。
高身長を活かすような細身の黒のスーツに、今日はネイビーの小紋柄のネクタイを締めている。高級感があってオシャレだ。
スタイルがいいからなにを着ても似合うはずなのに、束縒は昔から黒が好きで、いつも黒っぽいものばかり着ている。
もちろん、どれもセンスはいいのだけれど。
顔は整っていて、世間で言うところのイケメンに入ると思う。
髪を染めたことは一度もなく常に黒髪で、凛々しい眉、長いまつ毛の持ち主だ。
目力も強いので、高校時代には友人たちから“黒ヒョウ”と呼ばれていたらしい。たしかにキリリとしたイメージが合致する。
指先が映えるようにかわいらしいピンクカラーのデザインに仕上げてもらうと、羽が生えたように心が弾んだ。
「とてもお似合いですよ」と言われ、ニコニコしながらサロンをあとにすれば、向かう先はサンセリテホテルだ。
憲一朗さんが来るまでにはまだ時間があったので、ホテル内のカフェで待つことにした。
明るい窓際の席に腰を下ろして注文したアイスティーを口に含むと、香ばしい茶葉の香りが鼻腔に届く。
やっぱりここのホテルの紅茶はおいしい。
「レストランの予約で俺を使うなよ」
気を緩めていたところに真後ろから声がして、思わずビクッと肩を震わせてしまう。
「脅かさないでよ。心臓に悪い」
声をかけてきたのは束縒だった。静かに私の向かい側の椅子に腰を下ろし、優雅に長い足を組む。
高身長を活かすような細身の黒のスーツに、今日はネイビーの小紋柄のネクタイを締めている。高級感があってオシャレだ。
スタイルがいいからなにを着ても似合うはずなのに、束縒は昔から黒が好きで、いつも黒っぽいものばかり着ている。
もちろん、どれもセンスはいいのだけれど。
顔は整っていて、世間で言うところのイケメンに入ると思う。
髪を染めたことは一度もなく常に黒髪で、凛々しい眉、長いまつ毛の持ち主だ。
目力も強いので、高校時代には友人たちから“黒ヒョウ”と呼ばれていたらしい。たしかにキリリとしたイメージが合致する。