怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
 どんな水着なのか、気にならないわけがない。
 他の女ならどうでもいいが、好きな女の水着姿には当然興味が湧く。


「どう? かわいいでしょ? 一目惚れして買っちゃったんだ」


 照れる様子もなく笑みを見せる冬璃とは反対に、俺は直視できずに視線をはずした。

 彼女が着ていたのは、黒地に華やかな花柄のホルターネックビキニだった。
 もちろん、似合っている。
 だが、たわわに実った胸が強調されていて、目のやり場に困ったのだ。


「ずいぶん大人っぽい水着だな」

「私は子どもだから似合わない?」

「いや、そういう意味じゃないって……」


 プールにあまり人がいなくて幸いだし、ビーチには行かなくて正解だった。
 冬璃の大胆な水着姿を大勢の男たちにじろじろ見られてたまるか。

 下はスカートがセットになっている……。それも危ないけれど、まあいいだろう。
 問題は上半身だ。今後俺のいないところでこの水着を着ないことを願うしかない。

 プールに入ろうとする冬璃のあとを追い、俺自身の体で出来るだけ彼女を隠す。

< 80 / 123 >

この作品をシェア

pagetop