怜悧なCEOの恋情が溢れて、愛に囲われる政略結婚【マカロン文庫溺甘シリーズ2023】
あのあと束縒は再びベッドに横たわり、薬が効いてきてぐっすりと朝まで眠っていた。
翌朝は熱が下がり、「もう治った」などと強がって平気そうにしていたのだけれど……
キスしたことについては一切触れてこなかったので、覚えていないのかなと一瞬不安になったりしたものの、そんなわけはないと思う。
あのとき真剣な眼差しを向けて私を離さなかった束縒が、無意識だったなんてありえない。
それに、「冬璃、好きだ」と言っていた言葉は愛の告白だ。
いずれ私たちは関係をはっきりさせなければいけないなと考えつつ仕事を進めていると、スマホがメールの着信を告げる。
私はノートパソコンのキーボードから両手を離し、スマホをタップして確認をした。
そこに表示された名前を見た瞬間、私の心臓が嫌な感じでドキッと大きく跳ねた。
送り主は憲一朗さんだった。
憲一朗さんとは婚約会見の翌日に電話で話して以来、連絡は一度も取っていない。正直、メールを開けるのが怖い。なにが書かれているのだろう。
あの日、彼がはっきりと別れの言葉を告げてきたから、私も自分の気持ちにケリをつけたのだ。
それからもう半年以上過ぎている。
今さら互いに用などないし、フレンドリーに連絡しあう仲ではないはずだ。
いったんそのままスマホをテーブルに置いて無視をしていたが、どんな文章が書かれているのか次第に気になってきてしまった。
フゥーッと大きく息を吐きだしたあと、私は意を決してそのメールを開く。
翌朝は熱が下がり、「もう治った」などと強がって平気そうにしていたのだけれど……
キスしたことについては一切触れてこなかったので、覚えていないのかなと一瞬不安になったりしたものの、そんなわけはないと思う。
あのとき真剣な眼差しを向けて私を離さなかった束縒が、無意識だったなんてありえない。
それに、「冬璃、好きだ」と言っていた言葉は愛の告白だ。
いずれ私たちは関係をはっきりさせなければいけないなと考えつつ仕事を進めていると、スマホがメールの着信を告げる。
私はノートパソコンのキーボードから両手を離し、スマホをタップして確認をした。
そこに表示された名前を見た瞬間、私の心臓が嫌な感じでドキッと大きく跳ねた。
送り主は憲一朗さんだった。
憲一朗さんとは婚約会見の翌日に電話で話して以来、連絡は一度も取っていない。正直、メールを開けるのが怖い。なにが書かれているのだろう。
あの日、彼がはっきりと別れの言葉を告げてきたから、私も自分の気持ちにケリをつけたのだ。
それからもう半年以上過ぎている。
今さら互いに用などないし、フレンドリーに連絡しあう仲ではないはずだ。
いったんそのままスマホをテーブルに置いて無視をしていたが、どんな文章が書かれているのか次第に気になってきてしまった。
フゥーッと大きく息を吐きだしたあと、私は意を決してそのメールを開く。