そして君のいない夏が来る

日常





翌日。

今日はとても寒かった。

僕はまだ眠たいままの目をこじ開け、用意をする、朝ご飯は目玉焼きとパン。

急いで身支度をすることなくゆっくりと身支度をする。

今までは、大学に行くのが憂鬱で仕方がなかったが、彼女に出会ってからそんなに憂鬱に思わなくなった。

そのときピコンっとスマホが音を立てた。

「秋斗くんおはよう。元気?」昨日メール交換したばかりの博美からだ。

名前を見るだけで胸がドキドキと音を立てる。

「おはよう。元気だよ。」と送る。

これだけのメールなのに初めてメールが楽しいと思えた気がする。

やがて、大学につき、いつもの席に座る。

俺より先に来ている彼女の周りにはたくさんの人だかり。

それを見て少し妬けちゃうなんて、、、。

彼女からなにも思われていないのに。ましてやこんな感情まで。

でも、なんで俺にしたのだろう。

自分で言うのも変だが、こんな自分のなにが良くて「そばにいてください」だ。

ちょっと、いや、だいぶ嬉しかったけど。

バイト、、始めようかな。

働けばもっとマシなやつになって、親を助けられるなと思いながら。

やがて先生が来て、授業が終わり、みんなが帰る。

その時メールが来た。

「この後、駅前のファミマレス待ち合わせね。」

彼女からだ。

学校では極力話さないでねと言われていたことを今思い出した。

何か特別な理由でもあるのだろうか。

「了解」

と打ち、そこに向かう。

中学校の時、学校帰りここに入って行く高校生や大学生がすごく羨ましかったことを思い出す。

入口で待っていると、彼女が笑顔で駆け寄ってきた。

「ごめんねっ。入ろっ。」

と言われたので、中に入り店員に2名ですといった。

ここ2階のファミレスなので、ちょうど駅も見える。

余計、窓側の席なので大きい横断歩道を渡る人々がよく見える。

こっちが見る分にはいいが、下から見られてると感じると少し嫌に感じる。

彼女の方に目線を戻すと、目を輝かせてメニューを見ている。

そんなに目新しいものかと思い俺もメニューに目を落とす。

寒い時期の入ってきたせいか暖かそうなメニューが並んでいる。

「ハンバーグにオムライススパゲッティもいいなぁ〜」と彼女は迷ってるようだ。

ギリギリまで悩み、俺はハンバーグで彼女はオムライスにした。

店員さんは少々お待ちくださいといいレジに向かう。彼女の方を見ると、真剣な眼差しで俺を見つめてくる。

どうしたのかと問うと驚きの回答が返ってきた。

それをこのタイミングでここで言われるので尚更だ。

それは、、、

「私、来年の夏。記憶がなくなるんです。」





< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

この恋が終わるとしても 僕は君と居たかった。
凛蘭月/著

総文字数/4,193

恋愛(ラブコメ)11ページ

表紙を見る
星が降る夜に君を恋う
凛蘭月/著

総文字数/4,212

恋愛(その他)14ページ

表紙を見る
そこで笑う君と
凛蘭月/著

総文字数/2,826

青春・友情4ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop