夜が明けたら君に幸せを。
元の世界
*
*
まだ裏切られる苦しみを知らなかった頃、小学四年生の時に私は君と出会った。
「ねえ、もう夕焼けチャイム鳴ったけど、帰らないの?」
夕方の誰もいなくなった公園で、君は一人泣きながらブランコに乗っていた。
「なんで泣いてるの?」
「…っ、俺…帰っても誰もいないから…っ。だから帰りたくない…っ!」
「え…?お母さんとお父さんは?」
「お父さんは仕事。お母さんは…いない」
どうしてお母さんがいないのか、その時は別に気にならなかった。
ただ目の前で泣いている男の子を笑わせてあげたくて、その手を取ってにこっと笑顔を作る。
「じゃあ私が一緒にいてあげる」
「え…?」
「君がおうちに帰りたくなるまで、ここに一緒にいる。あ、私の名前は明日香。如月明日香」
「俺は…汐江朝陽」
それが朝陽との出会いだった。
*
まだ裏切られる苦しみを知らなかった頃、小学四年生の時に私は君と出会った。
「ねえ、もう夕焼けチャイム鳴ったけど、帰らないの?」
夕方の誰もいなくなった公園で、君は一人泣きながらブランコに乗っていた。
「なんで泣いてるの?」
「…っ、俺…帰っても誰もいないから…っ。だから帰りたくない…っ!」
「え…?お母さんとお父さんは?」
「お父さんは仕事。お母さんは…いない」
どうしてお母さんがいないのか、その時は別に気にならなかった。
ただ目の前で泣いている男の子を笑わせてあげたくて、その手を取ってにこっと笑顔を作る。
「じゃあ私が一緒にいてあげる」
「え…?」
「君がおうちに帰りたくなるまで、ここに一緒にいる。あ、私の名前は明日香。如月明日香」
「俺は…汐江朝陽」
それが朝陽との出会いだった。