夜が明けたら君に幸せを。
またあの三人組がいるクラス、1年A組で学校生活を送らないといけないのか…。


目立たないように生きていても、きっとあの三人に目をつけられる未来は変わらないんだろうな。



…本当、なんで時間なんて戻ってしまったの。


死にたかっただけなのに。



はあ、と憂鬱な未来を思い浮かべため息をついていると、誰かに肩を叩かれた。



明日香(あすか)



私の名前を呼んだ人物に、ああそういえば入学式の日にこいつが話しかけてきたな、と過去の記憶を思い出す。


桐生玲音(きりゅうれおん)。同い年のいとこ。



生まれた時から隣には常に玲音がいて、幼稚園から高校までずっと同じ。


私の過去も全て知っているから、人間不信な私でも玲音だけは唯一関わっていた。



玲音はいつだって隣にいてくれるから、信じられるんだ。



…だけど、高一の七月くらいから関わらなくなった。



クラスは離れていたけど何かと心配して教室まで来てくれたり、頻繁に連絡をくれていた玲音。


だけどそれが途絶えたのは、玲音のお父さんが原因だ。
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