夜が明けたら君に幸せを。
玲音のお父さんは事故で奥さんを亡くしてから精神が不安定になり、それを玲音はずっと支えてきていた。


だけど次第に容体が重くなり、七月中旬の頃には施設に入らないとダメなほど悪くなってしまった。


その手続きや気持ちの整理のためか、玲音はぱったりと学校に来なくなった。



だからなんだか久しぶりのように感じる。



「クラス表、見たか?」


「ああ、うん」



そうだ。たしかこの後玲音は…。



『クラス、離れてたな』


「クラス、同じだったな」



と、クラスが違かったことを伝えてきて…。



「…は?今、なんて言った?」



聞き間違いだろうか。


記憶の中の玲音と、目の前にいる玲音の言っていることが、重ならなかった。



「だから、クラス同じだったな、って」


「はあ?そんなわけないでしょ」
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