夜が明けたら君に幸せを。
前の席に座っていた外はねボブの美人な女の子が、笑顔で話しかけてくるのをふいっと顔を背け無視をする。


最悪だ。私に話しかけないでくれ。



「ねえねえ?明日香ちゃーん?眠いのー?」



馴れ馴れしく名前で呼ばないでほしい。


仲良くもなんともないんだから。



「あす…」


「私じゃない人に、話しかけて」


「…え?」



戸惑う彼女と目も合わせずに淡々と伝え、頬杖をつき目を閉じる。


もうこれ以上話しかけるな、という意味も込めて。



女の子は諦めたのか、それ以上何も話しかけてこなかった。


…きっと、感じ悪いと思われたよね。


それでも、いい。


誰かと馴れ合うくらいなら、嫌われて離れていってくれた方が全然いい。



最初から離れていれば、裏切られることもないし離れていくこともないんだから。
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