夜が明けたら君に幸せを。
「明日香」
急に名前を呼ばれ、思わず目を開ける。
声が聞こえた方–––隣の席を見ると、染めたのかはわからないが少し茶色がかったふわりとした髪の、頬杖をつきながらにっこりと笑っている男の子と目が合った。
「明日香って名前、可愛いね」
にっこーと甘く微笑む男の子に、“あ、この人絶対チャラい”と直感的にそう思った。
私の一番嫌いなタイプだ。
「あ、俺の名前は汐江朝陽。さっき明日香ちゃんに話しかけた花音と、俺の前の席の爽やかイケメン、櫻井爽也と幼なじみなんだ。さっきは急に花音がごめんなー。あいつ人見知りとか知らないタイプだからさー」
私にとってどうでもいい情報をペラペラと話していく目の前の彼からふいっと視線を逸らす。
…この席、ハズレだ。
後ろに座る玲音に助けを求めようとするが、玲音は横の男の子と何かを話している。
それを邪魔するのも気が引けて、仕方なく再び彼に視線を向ける。
「明日香ちゃんは…」
「あのさ、私、誰とも仲良くするつもりないの。だから私に話しかけたって時間の無駄だと思うよ。それに、馴れ馴れしく名前呼びするのもやめてくれる?」
きっぱりと言い放つと、彼は目をぱちくりとさせて私を見つめていた。
急に名前を呼ばれ、思わず目を開ける。
声が聞こえた方–––隣の席を見ると、染めたのかはわからないが少し茶色がかったふわりとした髪の、頬杖をつきながらにっこりと笑っている男の子と目が合った。
「明日香って名前、可愛いね」
にっこーと甘く微笑む男の子に、“あ、この人絶対チャラい”と直感的にそう思った。
私の一番嫌いなタイプだ。
「あ、俺の名前は汐江朝陽。さっき明日香ちゃんに話しかけた花音と、俺の前の席の爽やかイケメン、櫻井爽也と幼なじみなんだ。さっきは急に花音がごめんなー。あいつ人見知りとか知らないタイプだからさー」
私にとってどうでもいい情報をペラペラと話していく目の前の彼からふいっと視線を逸らす。
…この席、ハズレだ。
後ろに座る玲音に助けを求めようとするが、玲音は横の男の子と何かを話している。
それを邪魔するのも気が引けて、仕方なく再び彼に視線を向ける。
「明日香ちゃんは…」
「あのさ、私、誰とも仲良くするつもりないの。だから私に話しかけたって時間の無駄だと思うよ。それに、馴れ馴れしく名前呼びするのもやめてくれる?」
きっぱりと言い放つと、彼は目をぱちくりとさせて私を見つめていた。