夜が明けたら君に幸せを。
Chapter2
変わり始めている夜
きっかけさえあれば人は変わることができる。
*
「あ、如月さんに桐生くん!ちょうどいいところに。三階の隅っこに空き教室あるじゃない?あの教室使うらしくて綺麗にしてって頼まれちゃったんだけど先生これから会議なのよ…。だから代わりにお願いしてもいいかな…?」
「え、あの」
「あ、柏木さんに櫻井くんに…汐江くん!三人もお願いしていいかな?」
「へ?何が?」
「ごめんね五人、お願いね!」
先生は教室を出ようとしていた私と玲音、それにちょうど近くを通りかかった汐江くんたちにも声をかけて慌てたように行ってしまった。
頼まれてしまったので今更帰ることもできず、なんとも気まずい五人で三階に向かう。
「…もし嫌だったら、先帰ってもいいけど、どうする?」
前を歩いていた三人に聞こえないくらいの声で心配そうに言ってきた玲音に、少し迷ってから首を振る。
「大丈夫」
玲音に私の分まで任せるのは申し訳ない。その思いで空き教室までついていく。
「うえーこの棚きったな!」
「男子で棚の物とか出すから、如月さんと花音は雑巾で中拭いてくれるかな?」
*
「あ、如月さんに桐生くん!ちょうどいいところに。三階の隅っこに空き教室あるじゃない?あの教室使うらしくて綺麗にしてって頼まれちゃったんだけど先生これから会議なのよ…。だから代わりにお願いしてもいいかな…?」
「え、あの」
「あ、柏木さんに櫻井くんに…汐江くん!三人もお願いしていいかな?」
「へ?何が?」
「ごめんね五人、お願いね!」
先生は教室を出ようとしていた私と玲音、それにちょうど近くを通りかかった汐江くんたちにも声をかけて慌てたように行ってしまった。
頼まれてしまったので今更帰ることもできず、なんとも気まずい五人で三階に向かう。
「…もし嫌だったら、先帰ってもいいけど、どうする?」
前を歩いていた三人に聞こえないくらいの声で心配そうに言ってきた玲音に、少し迷ってから首を振る。
「大丈夫」
玲音に私の分まで任せるのは申し訳ない。その思いで空き教室までついていく。
「うえーこの棚きったな!」
「男子で棚の物とか出すから、如月さんと花音は雑巾で中拭いてくれるかな?」