夜が明けたら君に幸せを。
それなのにクラスの女子たちは最低だと騒いでいる。騙されているとも知らずに。



咲那としか関わってきていない私とは違って、咲那は人脈が広くクラスでも大倉くんと同じように人気があった。


だからみんなそんな咲那が嘘をつくはずがないと信じ込み、全部私がやったと疑わないんだ。



「泣かないで、中須。保健室、行こっか」


「あの、大倉くん…」


「…何があったのか知らないけど、親友だったんじゃないの?最低だね、如月さん」



…なんで。



「明日香なんて、いなければよかったのに」



咲那がぽつりと呟いて、大倉くんと教室を出て行った。



「てかさ、ほんと早く消えろよ」


「誰もお前の顔なんて二度と見たくないんだよ」


「きーえーろ、きーえーろ」



もう、何も聞こえなかった。


なんでみんな簡単に咲那を信じるの?


なんで誰も、私に本当なの?と聞いてくれないの?信じて、くれないの?
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