夜が明けたら君に幸せを。
この時、私は初めて知った。人は、簡単に人を裏切るんだと。


私を信じてくれる人なんて誰もいないことを。






「うう…っ、ぐす…っ」



話し終えると、隣でいつの間にか涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた柏木さんにぎょっとする。



「え、あ、あの、柏木さん大丈夫…?」


「うえ…っ、そ、そんなことがあったんだね…っ。はなじでぐれでありがどおお」



もっと泣き出してしまった柏木さんはもう鼻声でなんて言っているのかよくわからなかった。



「でも、私は如月さんのこと絶対に裏切らないって約束する!…って言っても、絶対なんてあるわけないじゃんって思うと思うし、私も裏切られたことがあるからわかるけど、また人を信じるなんて簡単にはできないと思う。それでも、私を信じてほしいんだ。私は本気で如月さんと友達になりたいと思ったから」



柏木さんの真っ直ぐな瞳を見ていられなくなり、視線を逸らす。



また人を信じる…?


答えはもうわかっている。そんなの無理だ。私にはできない。



咲那とのことがあってから学校になんて行けるはずもなくて、卒業式すらも行かなかった。
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