夜が明けたら君に幸せを。

大切な人に気づく夜

夏休みももうすぐ終わる八月下旬。


いつもの五人で浴衣着て夏祭りに行こうと花音に誘われた。



「きゃー!明日香、めっちゃ可愛い!」


「花音の方が可愛いよ。浴衣、ありがとうね」



浴衣がないと相談すると「二つ持っているから貸してあげる!」と言ってくれた花音の家に来ていた。


浴衣も貸してもらったし、ヘアセットも少しメイクもしてもらって、何から何まで花音にお世話になった。



「せっかくの夏祭りだし、可愛くしていきたいもんね!」


「櫻井くんもきっと可愛いって言ってくれるよ」



花音は「そうかなあ」と言いながら顔を赤くした。



花音と櫻井くんは、あの海に行った日に付き合いだした。


夏休みもちょいちょい会っていると言っていたし、順調そうだ。



「あ、男子もちゃんと浴衣着てきてるー!」



待ち合わせ場所に着くと、男子たち三人はもうすでに集まっていた。



「二人とも、浴衣似合ってるね」


「えへへ、でっしょーう。特に明日香は磨けば磨くほど可愛すぎて、私の写真フォルダ明日香だらけだよ!」
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