夜が明けたら君に幸せを。
「…え?」



背伸びをしてみたり周りを見渡してみるけど、どこにもいない。


やばい。目を離していた隙にはぐれてしまったみたいだ…。



とりあえず人混みを抜けてスマホで花音に電話をかけるけど、繋がらない。


LINEも送ってみるけど人が多すぎて電波が妨害されているのか、なかなか送信できない。


人の少ない方に移動しようと奥に進んでいくと、やっと誰もいなくなったあたりで送信が完了した。


あとはここで返信が来るのを待っていよう。



「おっそーい、いつまでかかってんの?」


「あ、ご、ごめんなさ…」



どこか座れる場所がないかと探していると、話し声が聞こえてきてちらっと顔を出す。



「…っ!?」



思わず出そうになった言葉を呑み込むように口を押さえて後ずさる。


どうしてこんなところにあの三人が…。



「ちょっと、頼んだものと違うんですけど?」


「こっちもちがーう」


「え、あでも、頼まれた通りに買って…」


「なに?私たちが間違ってるって?」
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