夜が明けたら君に幸せを。
夏祭りの日、朝陽とキスをしてしまってから特にこれといった関係の変化は起きていない。


あの後何もなかったかのように花音たちと合流し、そのまま夏休みが終わるまで一度も朝陽とは会ってもいないし連絡も取っていなかった。



一体あのキスの意味はなんだったんだろう…なんて、私一人考えてバカみたいだ。


朝陽は本当に何もなかったかのようにいつも通りだった。



「朝陽、飲み物買いに行くんだろ。早く」


「ああ、そうだった」



玲音に呼ばれた朝陽が教室を出ていき、ほっと肩の力が抜ける。



「すっかり朝陽と桐生くん仲良くなったよねー…って、明日香?顔真っ赤だけどどうしたの?」


「へ!?」



実は自分の気持ちを自覚してから花音にはまだ何も言っていない。


この機会に話しちゃおうかな…。



「…ってことがあって…」


「…え?待って、明日香が朝陽を好きで?夏祭りの日にキスされて?でも付き合うとかはしてない…ってこと?」


「う、うん…」


「な、何それ!?いや意味わかんないんだけど!なんであさ…」


「しっ!花音静かに…!」
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