夜が明けたら君に幸せを。
「いいー?次私たちに逆らったら、この動画ネットにばらまくから」
「はー笑いすぎておなかすいちゃった」
「駅前にできたカフェ行こー!」
満足したように三人が出て行ってからも、しばらく呆然とその場に寝転がったまま動けなかった。
*
どうやって、家まで帰ったのか自分でもよく覚えていない。
落ちていたハサミで縄を切り、破れた体操着からまだ濡れている制服に着替えて、気がついた時にはもう既に家の目の前まで来ていた。
怒りとか、羞恥心とか、悔しさとか、そんな気持ちはなかった。
全てが、どうでもよかった。
家に入ると、玄関にはヒールが一足脱ぎ捨てられていた。
…またか、と小さくため息を吐きリビングの扉を薄く開ける。
今日は夜勤でいないはずなのに、もう帰ってきているということはまた仕事がクビになったからだ。
思った通り、机にお酒の空き缶を山ほど積み、突っ伏し寝ているお母さんの姿があった。
嫌なことがあるとお母さんはお酒をやけ飲みする癖がある。
それはきっと、あの日から。
「はー笑いすぎておなかすいちゃった」
「駅前にできたカフェ行こー!」
満足したように三人が出て行ってからも、しばらく呆然とその場に寝転がったまま動けなかった。
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どうやって、家まで帰ったのか自分でもよく覚えていない。
落ちていたハサミで縄を切り、破れた体操着からまだ濡れている制服に着替えて、気がついた時にはもう既に家の目の前まで来ていた。
怒りとか、羞恥心とか、悔しさとか、そんな気持ちはなかった。
全てが、どうでもよかった。
家に入ると、玄関にはヒールが一足脱ぎ捨てられていた。
…またか、と小さくため息を吐きリビングの扉を薄く開ける。
今日は夜勤でいないはずなのに、もう帰ってきているということはまた仕事がクビになったからだ。
思った通り、机にお酒の空き缶を山ほど積み、突っ伏し寝ているお母さんの姿があった。
嫌なことがあるとお母さんはお酒をやけ飲みする癖がある。
それはきっと、あの日から。