夜が明けたら君に幸せを。
「あ、一つ忘れてた」


「え?」



他に誰か残っていたっけ…?



「“もう明日香に会いたい”朝陽より」


「…っ」



それは、どういう意味…?


なんて、私はわかっている。きっと朝陽にとってはなんでもない言葉なんだろうね。



…それでも私は単純だから、その言葉が一番嬉しいんだよ。



「朝陽…。好きだよ…」



薄れゆく意識で、その言葉は声に出されたのか私にはわからなかった。





目が覚めると、窓の外はオレンジ色に染まっていた。


熱が出てから二日が経った。


体温計で測ると熱は36.5°まで下がっていた。



リビングに行くと、お母さんは出かけているのか姿がなかった。
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