想いはグランデ より愛を込めて

サキ....古書店の2階......

あらら.....本が散らかっている。

休憩中に誰かが訪ねてこられたのね?

『キューちゃん!』
どこに行ったのネコちゃんは.....


今日は10月31日、お店に招かざる客人でもやってきたのかしら?

わたしは一階の炊事場でキューがすきな食べ物を
用意した。まもなくキューはどこからともなく
鳴き声をあげながらやってくるだろう。





来ないですね、、


キューちゃん、


わたしは2階に上がり、

キューを探した。   先程からわたしの勘だが
さきほどから
誰かいるような気がしているのだ。
キューと思って疑いもしなかったが
どうやら違うらしい。
気配を感じるので存在はしている。
ではいったいなんなのでしょうか?

この気配は...?

落ち着きましょうサキ、わたしが冷静になって

精神を統一して俯瞰してみましょう。

わたしは奥の和室に入り暗くして
目を瞑った。ここの和室は極力音が入らない造りになっている。しばらく目を瞑る。

頭に漠然とした雑念が浮かびあがる。

過去および未来に出会うであろう
人の影がわたしに会いにくる。

精神を落ち着けることでわたしは過去、未来に
意識下に置いて自在とまでは言わないけど
ある程度なら行けるようになった。

だからこんなときでも冷静にいられるのは
この習慣のおかげ、

この近未来は、 あまりに深い靄、
いったい何なのでしょうか?

ヒューリスティックは研ぎ澄まされ
ある映像が頭に浮かんできた。

雑念などではなく、
はっきりとした輪郭、その人物とは
やはり会ったこともあり、遠い未来にも
存在する。
詳細や名前は 
わからない。

わたしはあしもとを確かめて静かに階を
上がった。
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