ツンデレ王子とメンヘラ姫のペット契約

屋台

しばらく二人はデルシチュアートと物色し、ひなこは何も買わなかったが、恵美は新作の香水を一つ買った。

そして二人は廉さんとたつきの待つ、屋台へ向かった。

屋台に着くと、廉さんたちはすでに屋台にいた。そして迷惑なことにそこにはいつも意地悪を言ってくる、店長のよしまさもいた。さっそく、「お前、廉とデートできてよかったなぁ」と嫌みっぽく言ってきたので、廉さんに「7000円返してください」と言った。すると、「今月ピンチだから」とかわされたのでやはりかとひなこは呆れた。

まだ、屋台には一組、二組しかお客さんがいなかったので、ひなこたちはいつものように廉さんたちとおしゃべりをしていた。

廉さんは相変わらずかっこよく、会話のテンポも良くて、頭の回転も速いので、ひなこは本当にこの人が彼氏だったらいいのになぁと宛てもないことを思った。

そしてしばらくすると、小日向さんのことを思い出し、そろそろ出張から帰ってきたのか聞いてみようという気になった。

ひなこはLINEを開き、「いつ帰ってくるんですか？」と送った。

しかし、そのLINEは予想に反して、全然返ってこなかった。ひなこはそんなに聞いてはいけないことを聞いたわけじゃないのにといらついたが、当たる先もなくやりきれない気持ちでいたのだった。
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